あなたの組織にも、“ぶら下がり「フリーライダー」”はいませんか?

ある組織で、チームメンバー同士の貢献で付加価値を産み出すときに、自分は何も貢献せず、得られた付加価値の恩恵にはあずかる人のことを、集団の利益に“タダ乗り”する人という意味で「フリーライダー」といいます。

フリーライダーとは、元々社会学や経済学などで使われる学術用語でした。しかし、近年は企業などの組織においてもこの存在が問題視されています。高い報酬を得ている一方で実際の業務は十分せずに、他人の成果を自分のものにするなど“会社に貢献する以上に会社から利益を得ている社員”などを指して、「フリーライダー」と呼んでいます。

組織にとって困った存在であるフリーライダーは『給料泥棒』という言葉がある通り、最近生まれた概念ではなく、昔から存在する概念でもあります。

実際にこれを顕著に表したデータがあります。内閣府の調査で、企業の事業活動に活用されていない人材(雇用保蔵者数、社内失業者数)は、2011年9月時点で8.5%の約465万人と算出されています。新規人材の獲得が難しくなる中で、既存人材の活用方法についても、検討の必要性はますます高まっているのです。

雇用保蔵の推計
出典元『内閣府』雇用保蔵の推計

フリーライダーの意味や発生する原因とは

フリーライダーの意味や定義について

「フリーライダー(free rider)」とは「タダ乗りする人」の意味ですが、組織におけるフリーライダーとは、自分は仕事を怠けて楽をする一方で、他の社員の成果を横取りする、あるいは報酬だけはしっかりと獲得しようとするタダ乗り社員のことを指します。

近年の雇用形態の多様化や労働人口減少などにより、組織でフリーライダーの対処がしきれなくなり、社会問題としてさまざまなところで注目されています。

ローパフォーマーとの違いとは

「フリーライダー」とは、仕事を怠けていながら他の社員のあげた成果に「ただ乗り」して、自分の実際のパフォーマンス以上の報酬を会社からもらっている人材を指します。最近の傾向として、モチベーションの高い社員や会社への忠誠度の高い社員などに業務上の負担や精神的ダメージを与えることが大きな問題となっています。

「ローパフォーマー」とは、仕事に対して著しくパフォーマンスが低い傾向にある人材を指します。採用時には優秀に感じるものの、実際の業務では期待した通りの成果を出すことができません。

フリーライダー社員との違いは、実際にパフォーマンスができるかどうかに関わらず、フリーライダーの方が(実態にともなってはいないですが)評価されているケースが多いところでしょう。ローパフォーマーは個人の能力や環境に起因する原因が主ですが、フリーライダーは、自分の努力不足や仕事に向かう姿勢が低いことがほとんどです。

なぜフリーライダーが生まれてしまうのか

組織にとって困った存在であるフリーライダーが生まれる要因の一つに「労働者をとりまく環境の変化」が挙げられます。

終身雇用が一般的だった頃は、フリーライダーの兆候がある社員に対しても、研修など、ある程度の時間と労力(費用)をかけて育成する余裕がありました。長期間同じ職場と人間関係の中で働く環境では、真面目に働くことが昇進や昇給など安定した将来に繋がるこことが多く、自然とフリーライダーになりにくい企業風土づくりになっていました。

昨今では、成果主義や雇用期間の短縮化、雇用形態の多様化などで、人間関係や職場環境が変化しています。人材育成に投資をするより即戦力として活躍する人材が求められる傾向が増え、個人が収入やキャリアに対して安定した将来を実感しづらくなっています。こういったことが、フリーライダーが生まれる背景に大きな影響を与えています。

2つ目は、企業が必要とする人員以上の労働者を雇用している状態に問題があると言われています。これを「雇用保蔵の問題」とも言います。

オフィスでの雇用保蔵者は、定年などで重要なポジションから外れ主要な仕事をしていない人や、現在は主たる仕事はないけれど、将来の事業拡大をみすえ採用された人員などです。このような待遇や人材が増えると、雇用保蔵者がフリーライダー化する可能性があります。少なくない企業で、こういった雇用保蔵者の労働力を活かし方が課題となっています。

フリーライダーが同僚や組織に与えるマイナスの影響

企業そのものの発展を阻害する

仕事には、複数人で担当する業務が多くあります。こうした業務でフリーライダーが仕事をしなければ、他の人員でまかなわなくてはならず、業務負担を強いられる社員がでてきます。フリーライダーの中には、他の社員のモチベーションを下げる自分勝手な発言をして、精神的ストレスを与える人もいます。

こうしたフリーライダーの存在に、他の社員のやる気が低下し、業務に不満を持ちます。職場の人間関係に歪みがでて円滑なコミュニケーションが取りにくくなると、仕事の質や生産性、顧客満足度の低下さえも招きます。こうした状況が続くことは企業の発展を阻む大きな要因となります。

周りの社員もフリーライダーにしてしまう可能性がある

フリーライダーのマイナス要因は周りに悪い影響を及ぼすことです。組織にフリーライダーがいると、周りの社員も「フリーライダーになったほうが得をするのでは?」と思い、フリーライダーになる社員が現れます。あるいは、フリーライダーが何かしらの得をしていると感じて、努力することに意味を見出せなくなり、フリーライダーになってしまう社員もいるでしょう。フリーライダーが仕事をしない分自分の業務負担は増えるけれど、報酬は変わらないなどで、モチベーションを維持できなくなるためです。

1人のフリーライダーをきっかけに、他の社員もフリーライダーになってしまうという負の連鎖が起こることで、企業存続の問題にまで発展するリスクがあります。

ただ乗りするフリーライダーの放置をしてはいけない

売り手市場の昨今、優秀な人材の確保が難しい中で今いる人材をいかに活用するかが求められる中、「活用しきれていない人材」であるフリーライダーが、組織にある一定数いるというのは、まったく無視できない問題です。

フリーライダーは、他の従業員にとっても、会社にとっても悪影響を与える存在です。組織の人材がフリーライダーにならないための対策を行うことはもちろん、すでに自社にフリーライダーがいる場合には、早急な対応策を行うことが求められているのです。

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