新たな福利厚生にも?時間年休について

会社は休みたいけど、仕事があるから休めない。
そんな経験がある人もいるのではないでしょうか?
有給休暇は労働者の権利であり、本来は自由に取れるはずのものですが、仕事のことを考えるとなかなかそうも言えないもの。
今回は有給休暇についてのお話です。

上がらない有給取得率

厚生労働省が公表した「平成29年就労条件総合調査 結果の概況」によると、1年間に企業が従業員に付与した年次有給休暇日数がひとりあたり18.2日、そのうち従業員が有給休暇を取得した日数は9.0日となっています。
会社からは有休を付与されているにもかかわらず、取得率は約半分という数字になっており、国が掲げている「2020年までに取得率70%」の目標とは大きくかけ離れています。

時間単位の年次有給休暇取得制度、導入していますか?

有休休暇取得率アップのための施策として、近年では時間単位の年次有給休暇取得制度を導入している企業もあるようです。

労働基準法39条4項では、あらかじめ労使間で協定を締結することで、時間単位での有給休暇取得させることができると定めています。

(労働基準法第39条4項)

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
一 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
二 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
三 その他厚生労働省令で定める事項

半日単位での有給休暇取得は、どの企業でも多く導入されている印象にありますが、1時間単位の有休取得は、まだまだ浸透していないのではないでしょうか。

1時間単位の有給休暇取得を導入するに際しては、以下の点について定めておく必要があります。

  •  対象となる労働者の範囲
  •  時間単位年休の日数
  •  1日分の年次有給休暇に対応する時間単位年休の時間数

取り決めによっては、1時間単位などからの取得可能となる時間年休ですが、メリットとしては市役所に書類を取りに行ったり、クリーニング屋さんや荷物を受け取ってからの出社など、ちょっとしたことを平日対応できるという点なども、お休みをとることに対するハードルが低めになり、働き方・休み方の両方を上手にアレンジできる点ではないでしょうか。

そもそもの有給休暇の制度とのバランスを保つことも重要です!

本来、従業員の心身の疲労回復やリフレッシュのためには、細切れでがなくある程度まとまった日数を取って休むべきであるという趣旨もあります。
そのため、法律上も取得の利便性とのバランスを取り、5日程度を限度としています。
仮に労使間の合意のもと、年次有給休暇のすべての日数を時間休の対象に入れてしまうということがあったとしても、5日を超える時間単位年休は法に抵触すると考えられます。
上記をふまえたうえで、時間単位の年次有給休暇取得制度を導入してみてはいかがでしょうか。

<参考>
・ 「平成29年就労条件総合調査 結果の概況」(厚生労働省)

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