正社員と有期契約社員との処遇格差をめぐる2事件【最高裁判決】

労働契約期間の定めの有無による不合理な労働条件格差を禁じた労働契約法20条の判断をめぐって争われた2事件に対する最高裁判決が1日に示されました。
正社員と職務内容が同じ定年後再雇用者に対する賃金・賞与格差の違法性が争われた事件(長澤運輸事件)で、最高裁は、①事業主が高年法により60歳超高年齢者の雇用確保措置を義務づけられている中、賃金コストの増大を回避する必要等からも、定年後継続雇用における賃金を定年退職時より引き下げること自体が不合理とは言えない、②定年後継続雇用において、職務内容やその変更範囲等が変わらないまま相当程度賃金を引き下げることは広く行われており、その引き下げ幅を縮める努力をしたこと等からすれば2割前後の賃金減額は直ちに不合理とは言えない、として違法性を否定し、高裁の判断を支持しました。一方、各賃金項目における正社員との格差について、精勤手当は「正社員との職務内容が同一である以上、皆勤を奨励する必要性に相違はない」とし、定年後再雇用者に支給されないことは不合理に当たると判断。同手当の不支給と、これを算定基礎に含めた時間外手当を支給しなかったことについて会社側の過失責任を認め、精勤手当相当分の損害賠償支払いを命じるとともに、時間外手当に係る損害賠償請求についての2審判決を破棄し高裁へ差し戻しています。

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