タレントマネジメントとは?導入事例から学ぶ人事戦略

タレントマネジメントとは、自社の抱える「タレント(優秀な人材)」の能力や特性を把握して、パフォーマンスを最大化するために「マネジメント(最適な人材配置や人材教育など)」を行う人事戦略です。

タレントとは、英語の「talent(才能・素質)」からきた言葉で、才能や素質のある「優秀な人材」を意味します。どのような才能や素質の持ち主を優秀とするかは企業や業種によるため、タレントマネジメントにおける「タレント」とは「自社にとって必要な人材」のことを指します。

タレントマネジメントは1990年代後半頃からアメリカで注目され始め、日本でも2000年代後半には年功序列や終身雇用制度が崩れたことから人材の流動性が高まり、タレントマネジメント導入を検討する企業が増えています。

売り手市場による人材獲得競争の激化やナレッジワークの重要性の増加に伴って、優秀なタレント人材の獲得や育成が、企業には必要不可欠です。

今回の記事では、タレントマネジメントを実際に導入して、効果が表れた5社の事例をご紹介します。

タレントマネジメントの導入事例を5つご紹介!

タレントマネジメントは、アメリカでは多くの企業が既に導入して効果を実証しており、日本でも人事において先進的な企業では導入が進んでいます。

今回は日本企業における事例だけでなく、タレントマネジメントが先に注目されたアメリカ企業における事例についてもご紹介します。

  1. 日産自動車の事例
  2. 日立製作所の事例
  3. クラウドワークスの事例
  4. シミックの事例
  5. アップルの事例

1.日産自動車の事例

日産自動車では、将来のリーダーの発掘が大きな課題であり、カルロス・ゴーン会長によって2011年にグローバルタレントマネジメント部が設立され、ビジネスリーダーの発掘・育成に対する取り組みが行われてきました。

グローバルタレントマネジメント部では、キャリアコーチと呼ばれるスカウトのような人物が、各部署の上司からのレポートをもとにハイポテンシャルパーソン(HPP)を発掘し、経営トップ層による委員会に提案します。

ハイポテンシャルパーソンに認定された社員は、キャリアコーチや上司が作った育成プランのもと、様々なポストを経験しながら次世代を担うビジネスリーダーとして育成されます。

日産自動車ではグローバルタレントマネジメント部を設立した結果、人材の育成がスムーズになり、事業の将来的な成長の柱になりました。

2.日立製作所の事例

日立製作所では、世界中に展開されている様々な事業の将来を担うリーダーを確保するため、タレントマネジメントを導入しました。

タレントマネジメント導入前の日立製作所では、多過ぎる従業員を日本の経営トップ層が把握できておらず、どこにどのような人材がいるのかわからない状況でした。

日立製作所は、人材情報をデータベース化してリーダー育成のプラットフォームを共通化し、採用活動を行う人材エージェントもグローバルに統一しました。人材育成のためのシステムを作り、システムを利用した人材への教育・研修も行っています。

日立製作所ではタレントマネジメントの導入によって、社内の人材の的確な把握や社内共通の人材育成の枠組みが作り出され、人材の育成がスムーズに進むようになりました。

3.クラウドワークスの事例

クラウドソーシング事業を行うクラウドワークスでは、一部上場後に採用を強化して社員数が100人を超えてから、チームや事業間における人材情報の共有が課題になりました。

クラウドワークスは、社員の情報を顔写真付きで見られるデータベースを導入し、データベース上に情報をストックすることで、個人に焦点を合わせた人材マネジメントが可能になりました。

クラウドワークスではタレントマネジメントを導入した結果、社員間の交流が促進できただけでなく、経営陣のスムーズな意思決定にも効果が表れました。

4.シミックの事例

医薬品に関わる幅広い分野でサービスを提供しているシミックでは、開発・製造・営業・マーケティングなどの事業拡大に伴って、従業員の能力の可視化が大きな課題になっていました。

シミックは、タレントマネジメントを「人事部による従業員の管理システム」ではなく「従業員の成長を支援するツール」と捉え、従業員一人ひとりが自分の成長の目標や成果を確認できるようにすることで、個人の成長を促す仕組みを作りました。

シミックでは、人事部が一括管理している一般的な役職データと、各部門がそれぞれに記録している情報を集約して管理した結果、教育部門が個人の進捗状況の管理に煩わされることなく「どんな教育をすべきか」という本来の業務に集中できるようになり、人材育成の質が向上しました。

5.アップルの事例

アップルのタレントマネジメントは少し特殊な手法で、単純に取り入れるのは難しいかもしれませんが、世界的企業であるアップルは、タレントマネジメントにおいても最も優れた会社の一つです。

アップルでは優秀な人材の育成に大きな重要性を置いており、独立心を育て社内交流の活性化を図るためにキャリアサポートはせず、他部署や様々なバックグラウンドを持つ仲間に相談させることで、社員が自分でキャリアを作る文化があります。

キャリアサポートをしないとはいっても、もちろん利用できるトレーニング制度などは整っており、社員が自分の業務に必要な知識やノウハウを必要に応じて学ぶことができます。

アップルでは、社内のトップパフォーマーは破格の待遇が受けられる一方で、一度一定の成果を上げたら今度は全く違う仕事に挑戦するという暗黙の了解があったり、同じプロジェクトに対して複数のチームで競い合わせたりと、結果ベースの評価が徹底されています。

アップルは成長し続けないと生き残れない厳しい環境ではありますが、社員全員が常に上を目指し、互いに刺激し合って成長し続けたことが、世界的な成功につながった要因の一つであることは間違いないでしょう。

企業の導入事例を参考にタレントマネジメントを導入しよう!

タレントマネジメントとは、自社の抱えるタレント(優秀な人材)の能力や特性を把握してパフォーマンスを最大化するために、最適な人材配置や人材教育などを行う人事戦略です。

タレントマネジメントは、アメリカでは多くの企業が既に導入して効果を実証しており、日本でも年功序列や終身雇用制度が崩れ、人材の流動性が高まったことから導入を検討する企業が増えています。

企業によってどのような能力や素質を持つ人材がタレントであるかは異なり、タレントのマネジメント方法も確立されたものがない中で、実際に導入・運用した企業の事例は、自社でタレントマネジメントを導入する際の大きなヒントになるでしょう。

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