「カリスマ性」と「リーダーシップ」

リーダーシップが学問的な関心を集め、研究対象となった歴史は古く、特に1900年代になるとアメリカなどを中心にその理論化・体系化が進められてきました。古くは「リーダーシップとは生まれ持って備わった性質である」という考え方が前提となっていましたが、時代を減るごとにリーダーの行動や環境が注目されるようになり、「リーダーシップとは状況に応じて変化するものである」という考え方が現在の主流となりました。これをコンセプト理論と言います。

コンセプト理論ではシチュエーションに応じて様々なリーダーシップスタイルがあります。そのうちのひとつが今回紹介する「カリスマ型リーダーシップ」です。

カリスマ性と聞けば、先天的に備わった個性のことかと思われがちですが、コンセプト理論における「カリスマ」は少し違います。カリスマ性を先天的に備え付ける」のではなく「部下にカリスマと認知されることで、部下を目標に導く」リーダーシップです。以下では、技術としての「カリスマ」と「リーダーシップ」の関係について詳しく見ていきましょう。

カリスマ型リーダーシップとは?

コンセプト理論で提唱されたリーダーシップのひとつである「カリスマ型リーダーシップ」は、1970年代に登場しました。カリスマ型リーダーシップの原型となる理論は1942年に社会学者のマックスウェーバーにより定義されたものだとされており、現在「カリスマ型リーダーシップ」として知られているものは1976年にハウスにより再定義されたものです。

カリスマ型リーダーシップの特徴は、リーダー人材でなく「そのフォロワー(部下)によりリーダーがどのように認知されているか」に着目している点です。つまり、リーダー個人の資質でなく、リーダーがフォロワにもたらす「現象」として捉え直したものなのです。

カリスマとして認知されるためには?

カリスマ型リーダーシップを発揮するために重要なのは、「どうやって部下やフォロワーに『カリスマ』として認知してもらうか」です。

カリスマ型リーダーシップの特徴は以下のようなものが挙げられます。

  • 組織の指針となる明確なビジョンを示す
  • リスクをとってでも挑戦する
  • 現実的かつ客観的な評価を重視する
  • 並外れた行動力

ビジネススキルのなかでも、「コンセプチュアルスキル(概念化・抽象化能力)」が特に発揮されているというのが注目すべきことです。

(コンセプチュアルスキルについては、「「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」とはどんなスキルなのか?」をご覧ください。)

ロジカルかつ地に足ついた現実的な戦略設計と「大きな目標・挑戦」を掲げることで、フォロワーに「背中で語る」ようなスタンスで接し、組織全体のモチベーションを高めるという現象を起こせるのが、コンセプト理論における「カリスマ性」だと考えられます。

カリスマ型リーダーシップのメリット・デメリット

カリスマ型・リーダーシップがうまく機能すると、挑戦的なプロジェクトが成功し、組織に大きな業績をもたらすというのが考えられるメリットです。その過程や結果において、部下・フォロワーが仕事への意義を見出したり、業務面・精神面での大きな成長が期待されます。

しかしその反面、リーダーたる人材の影響力が強すぎることが懸念されます。部下・フォロワーがリーダーに依存しすぎるようになったり、後継者育成が難航するなどの可能性があります。

代表的なカリスマ型リーダーシップ

カリスマ型リーダーシップでもっとも有名な事例は、Appleの創始者であるスティーブ・ジョブズ氏です。一時は低迷したAppleでしたが、ジョブズ氏の斬新なアイデアと行動力により、iPod、iPhone、iPadといった世界的大ヒット商品を生み出したことはIT業界の歴史上極めて大きな事件とも言えます。

「替えが効かない」からこそ大切なこと

カリスマ型リーダーシップは「部下からカリスマとして認知される」ことによって部下に影響を与えるリーダーシップです。カリスマ性の詳細な内容については未だに議論されていますが、高水準の自己信頼と部下からの信頼があることが重要な論点となっています。

しかしカリスマ型リーダーシップは、リーダー自体が取って代わることが難しいため、経営陣が変更になることで、統率が取れなくなる危険性も示唆されています。「偉大なリーダー」は「替えが効かない」だけに、フォロワーとなる部下がリーダーに依存するのではなく、彼・彼女らが自発的に成長しようとする意欲を尊重し、成長を促すように働きかけるのが大切です。

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