面接では優秀な人材を「見逃さない」ことが最も重要

面接で優秀な人を見抜くためには、どんな人物を「優秀」だとみなすか、明確な定義が必要です。コミュニケーションスキルなどのスキルの高さを求める場合もあれば、「自主性」や「協調性」などの性格を求める場合もあるでしょう。

スキルにおいては、「人事業務」や「営業」「開発」などの全てのスキルが高い人材は存在しません。業務に関するスキル(テクニカルスキル)であれば、職種をベースとして必要なスキルを明確にする場合や、どんな業務でも役立つスキル(ヒューマンスキル)も年齢などからスキルの程度を明確にしたり、即戦力を求めるのであればポータブルスキルを重視するなどの方法が挙げられます。

一方で「性格」に関しては非常に難しい問題です。早稲田大学大学院の小塩真司教授が行った中部大学の調査によると、企業説明会に参加した担当者は「一般的に性格の良い学生」を求めていることが明らかになりました。求められた性格を全て持ち合わせる人材が、世の中にいるのかどうかも分からないレベルであるのにも関わらずです。

(この調査については「新卒採用における「求める人物像」で陥りがちな注意点とは?」にて説明しています。)

多くの企業が「求める人物像」が明確化できていない理由とは?」でも触れましたが、本来企業が持つべき「求める人物像」とは、他社とは異なる「求める人物像」、自社の社風にあった性格や価値観を持ち合わせる「人物像」です。

かつ優秀な人材というと、このようなイメージが強いのではないでしょうか。

「即戦力となって長く働き続けてくれる」
「会社の売上、事業の成長に貢献できる」
「いずれは会社の中核を担うようになる」
「若手社員のお手本となってくれる」

けれども、このような誰の目にも明らかに優秀な人材が応募してくれることは、よほどの大企業や一握りの注目のスタートアップ企業でない限り、難しいのが現実ではないでしょうか。

面接で優秀な人を見抜くために一番重要なことは、自社の求める人材を明確に描き、それに近しいポテンシャルを秘めた人材が応募してくれたときに「見逃さない」ことなのです。

採用面接で、優秀な人材は「争奪戦」

いま、空前の売り手市場を迎えています。2018年4月、リクルートが発表したワークス大卒求人倍率調査(2019卒))によると、大卒求人倍率は1.88倍で7年連続上昇しています。従業員規模300人未満の中小企業に限って言えば、なんと9.91倍。企業規模が小さいほど採用難が加速している現状があり、優秀な人材の争奪戦は熾烈を極めているのです。

求人総数および民間企業就職希望者数・求人倍率の推移
出典元『リクルート』第35回ワークス大卒求人倍率調査(2019年卒)

従業員規模別の求人倍率の推移
出典元『リクルート』第35回ワークス大卒求人倍率調査(2019年卒)

転職市場においても状況は同じです。中途採用面接では、即戦力になるような優秀な人材を獲得しなければ、とスキルセットにばかり目が行きがちです。けれども、優秀な人材は争奪戦であることを肝に銘じて、スキルや経歴にやや不足感があったとしても、「中長期的に見て、優秀な人材に化ける可能性があるかどうか」を見極めることが大切です。

面接で優秀な人材を見逃さないためには?

中長期的に見て、会社の中核を担ってくれる優秀な人材に成長するポテンシャルのある人材を、面接で見逃さないためにはどうしたらよいのでしょうか?ポイントを3つに絞って紹介します。

1.社風にあっているかどうかを見極める

社風に合っているかは、早期離職はもちろんのこと、コミュニケーションが円滑になることで労働生産性も向上しやすいポイントです。

まずは自社の企業文化を明確にしましょう。自社が果たすべき役割や使命(ミッション)、どんな社会を実現したいと考えているのか理想像(ビジョン)とは何か。自社で活躍している社員がどのような価値観を持っているのか。

企業文化を多角的に言語化したうえで、自社の企業文化・社風にマッチする人材かどうかを見極めましょう。社風がマッチする人材であれば、そのポテンシャルを周囲の同僚や上司も引き出しやすくなるからです。

(自社に合う人材かどうかを見極めるポイントは「「人材の良し悪し」を面接で瞬時に見抜く、たった3つの手法とは?」もご参照ください。)

2.人物特性を見極める

自社の採用基準に照らし合わせてスキルや経験が多少不足していても、それを補って余りある優秀な人材であると判断するためには、人物特性を見極める必要があります。

人物特性を見極める観点には、いくつかの観点が挙げられます。

  • 何かを指摘されたとき、素直に聞き入れることができるか
  • 批判的にならず、過度に自信を失うことなく、人や物事に対して正直でいられるか
  • 難易度の高い課題に対しても、真摯に向き合い粘り強く対応できるか
  • トラブルに対するストレス耐性

自社の同僚や上司と、小さな会社であれば経営者とも上手にコミュニケーションをとって任務を遂行することができなければ、ポテンシャルを秘めた人材でも逸材に化けることはできません。

面接では人物特性を評価し、人柄や性格の傾向を見極めることが大切です。
(面接で人柄を見極めるために注意すべきことは「面接で求職者の「人柄」を見誤らないための掟3つとは」もご参照ください。)

3.中長期的なキャリアビジョンを確認する

自社の社風にマッチし、社内コミュニケーションを円滑に取れる人物特性であることを、ある程度確認できたら、最終的に確認すべきは求職者ご本人のキャリアビジョンです。

キャリアビジョンやキャリアプランにとって、有益な職場環境であればあるほど、そのポテンシャルはどんどん開花して行くからです。

面接で優秀な人材を「見逃さない」ためには、求職者のキャリアにとってプラスとなる就労環境や業務内容を提供できるかどうか、冷静に判断すべきです。「あれもこれもお任せしたい」と、ついつい会社の都合が先に立ってしまいがちですが、キャリア開発に役立つ環境であればあるほど、長く勤めてもらえる可能性が高いということを肝に銘じて起きましょう。

会社と求職者のアライアンス関係を大切にしよう

採用面接では、見極めるべき観点がたくさんあります。求める人物要件をできるだけ多くクリアした優秀な人材を確保したいという願いは当然です。けれども既述のように、新卒・中途ともに人材の獲得競争が激化しており、人口が減少の一途をたどることを考えると、しばらくはこの競争がおさまることはないでしょう。

この難局を打破するためには、会社と求職者との間で面接を通じてアライアンス関係を構築して行くことが効果的になります。アライアンス関係とは、信頼に基づきお互いの成長を補完しあうような関係のこと。採用後の人材育成までを視野に入れた、中長期的な視点で採用戦略を立てる必要があるのです。

そのためには、社風に合う人材の要件を明確に定義して、面接という短時間でそれを見極められるよう面接官同士で目線を合わせ、組織一体となって面接に挑むことが大切です。

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