あまりテレビなどで取り上げられていないようですが、先日7月24日付で「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の改定が閣議決定されたことをご存知でしょうか?

平成27年7月に「過労死等防止対策推進法」に基づき策定された同大綱は、約3年をめどに、推進状況などを考慮して見直すこととなっており、働き方改革関連法の閣議決定と見直し時期が重なり、同調するように関連性の高い内容が盛り込まれることになりました。

そもそも大綱とは?

大綱(たいこう)は検索してみると下記のようにおおよそ解説されています。

①ある事柄の根本となる重要な点
②おおよそのあらましや内容

法律を改正する際などに、まず調査会や審議会などで設定する方針であり、その方針をもとに内容を細かく定め、法改正を進めます。
また、法改正後には大綱の内容を見直すかたちで、制度などの実行力を高めたり、実情に即したものへと変更、改正を行います。
法律策定時の設計図や法運用上の事業計画書の様なものと言えるでしょう。

具体的な変更点は?

この度、閣議決定した変更点で大きなトピックは、政府として初めて「勤務間インターバル制度」について周知や導入に関する数値目標を設定したことでしょう。
具体的には、下記のとおりです。
・2020年までに、勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を20%未満とする(2017年時点では37.3%)
・2020年までに、勤務間インターバル制度を導入している企業割合を10%以上とする(2017年時点では1.4%)
※共に労働者30人以上の企業

また、現行大綱を充実させるかたちで下記の変更も行われました。
・週労働時間60時間以上の雇用者の割合5%以下(2020年まで)
付随する形で、「特に長時間労働が懸念される週労働時間40時間以上の雇用者の労働時間の実情を踏まえつつ、この目標の達成に向けた取り組みを推進する」と追記された

・年次有給休暇取得率70%以上(2020年まで)
特に年次有給休暇取得日数0日の者の解消に向けた取り組みの推進を明記、先日閣議決定を受けた働き方改革関連法でも2019年4月1日施行として、年次有給休暇を10日以上付与されている労働者に対しては、時季などを定めるなどして5日以上の取得をさせる義務が使用者に課せられる事となった
※中小企業を対象としては2020年4月1日施行予定

その他、事業場外資源を含めた相談先のある労働者割合を2022年までに90%以上にすることや、ストレスチェック結果を集団分析し、活用する事業場割合を2022年までに60%以上とする数値目標も定めました。

今から段階的な取り組み準備と見直しを

今年、立て続けに閣議決定を受けた「働き方改革関連法」と「過労死等の防止のための対策に関する大綱」ですが、実際に施行時期はあっという間に訪れます。
企業によっては、就業規則の見直しが必要となるケースも出てくる可能性もあり、見直しが必要ない場合にも実運用上変更点が多くなる場合、なかなか一朝一夕では導入や変更が難しいと思われます。

働き方改革関連法については、この度の大綱改正の様ように周辺関連法や大綱などが改正されて詳細が固まっていくことになりますが、具体的に義務化や罰則の明文化などがなされます。
施行に合わせ労働基準監督署など関係省庁の取り組みも強化されますので、無理なく焦らず導入を図れるように今からじっくりと準備を行ない、備えましょう。

<参考>
・ 「「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が本日、閣議決定されました」(厚生労働省)
・ 「過労死等の防止のための対策に関する大綱(平成30年7月24日閣議決定)の概概要」(厚生労働省)
・ 「過労死等の防止のための対策に関する大綱(本文)」(厚生労働省)
・ 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更について(関係資料)」(厚生労働省)