「有名洋菓子会社の元社員(男性)が、平成28(2016)年6月に自殺したのは、長時間労働や上司のパワハラが原因だったとして、所轄の労働基準監督署が労災認定していたことがわかった。」といった報道がありました。  労災認定は平成30(2020)年6月22日付。同年7月5日に遺族である母親と代理人弁護士が会見を開いて明らかにしたものです。  会見によると、男性は高校卒業後の平成26年4月に正社員として入社し、工場でゼリーやチョコレートの製造にあたっていました。  代理人弁護士が労働基準監督署から受けた説明では、平成27年9~12月に月81~103時間の時間外労働が認められたとのことです。  また、同年11月、製造したチョコレートにつやが出ず、大量の廃棄品が出た際に、「また牛のえさ(廃棄品)作りに来とんか」と強く叱られるなど「上司とのトラブル」が複数回あったということです。  さらに、男性が退社の意思を伝えた際には、「お前の出身高校からは採用しない」と言われたと訴えていたそうです。  男性には受診歴はありませんでしたが、こうした業務上の負荷が重なり、自殺の約半年前にはうつ病を発症していたと認定されました。  会社側には、過重労働やパワハラの認識はなかったということですが、すべてが事実であったとすれば、心理的な負荷は相当高かったといえるでしょう。  この事例は、長時間労働とパワハラが重なると労災認定が行われるというケースの典型例といえます。  企業としては、長時間労働、パワハラともに、防止対策を講じておく必要がありますね。 ●長時間労働については、先に成立した働き方改革関連法により、平成31(2019)年4月から時間外労働の上限規制が施行されます(中小企業は1年遅れ)。  これに伴い、労基署等による監督指導も強化されることになると思われます。新たな上限規制の内容は必ず確認しておきましょう。 ●パワハラ(パワーハラスメント)については、会社のトップや管理職から意識を高め、パワハラのない職場を作り上げていくことが重要です。   なお、厚生労働省では、パワハラの専用サイト(明るい職場応援団)を作成するなどして、防止対策を呼びかけています。  パワハラの基礎から裁判例、他社の取組みまで、総合的に紹介されていますので、是非ご確認ください。 <厚生労働省のパワハラの専用サイト(明るい職場応援団)> http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/